「ある日のパン屋2」
男1「俺の名前はとろける生クリームメロンパン!子供から大人まで大人気のパンさ!もうなんつーか、しっとり生地がとろとろの生クリームを包み込み、その甘さは天国にも登るような幸せを与えるのだ!まさに最強最高のメロンパンといえる!」
男2「おっほっほ。甘いのは味だけにしていただきたいですね。」
男1「な!お前は!」
男2「わたしの名前はさっくりメロンパンです。まったく、このわたしが元祖だというのに、最近の小物メロンパン共は立場というものがわかっていないようですね。」
男1「なんだと!?どういうことだ!」
男2「言わなければわからない生地しか持っていないようですね!いいでしょう教えてさしあげます!この私がこのパン屋で一番売れているベストパンだということですよ!」
男1「なあ!なんだって・・・!」
男2「おっほっほ、お分かりになりましたか?あなたが1つ売れる頃には私は20個売れています。それが私とあなたのメロンパン格差というものです!そら、そうこう言っているうちに新しいお客さんがきましたよ。見ていなさいどうせさっくりメロンパンを選びます。」
女「んー、お昼、何パンにしようかなー。甘いの食べたいかも。」
男1「いや!あの顔は甘いパンを求めている顔だ!つまりこの俺!とろける生クリームメロンパンの顔だ!」
女「あーでも、あまったるすぎても喉乾いちゃうし、カロリーがなあ」
男2「ほら見なさい!結局はこの私を選ぶに決まっているのです!人は皆さっくりメロンパンを求めているのですよ!」
女「んー、でもカロリー気にしてもなあ。やっぱり甘いものでストレスリフレッシュ!したいし。」
男1「馬鹿め!やはり甘さは正義!生クリームは正義!つまりは生クリームメロンパンの正義だ!ジャスティイイス!!」
女「えーっと、ん?当店ベストパンはさっくりメロンパン、外はサックリ、中はふんわりのシンプルな美味しさを是非味わいください、か。美味しそう。」
男2「おーっほっほっほ!見なさい新参者!結局は評判!知名度!実績!味はもちろんですがその他要素も重要なのですよ!これが力の差というものです!あなたとは生地の値段が違うのです!甘いだけのあなたとはね!!」
男1「さっきから聞いていれば勝手なことをいいやがって!どうせお前なんて評判だけの甘く無いパンじゃないか!」
男2「そこが甘いといっているのですよ!評判は力です!ただでさえ美味しい味をさらに引き立てるエッセンス足り得ると、とその甘々な中身ではご理解いただけないようですね!おーっほっほっほ!!」
男1「なんだと!クリームすら入ってない手抜きパンめ!」
男2「シンプルな美味しさも理解できないゴミ虫パンが何を言っても無駄ですよ無駄!!」
男1「選ばれるのは俺だ!」
男2「わたくしです!」
男1「俺!」
男2「わたくし!」
女「よーし、決めた。チョコチップメロンパンにしよっと。」
男1&2「「え?」」