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喧嘩
「おっはよーヒロキ!」
「おお、なに、ああカスミか、ねみい・・・」
「おきろよー!あーさーだーぞー!」
「ぐぅ、あと5ふん・・・」
「ぬーー!おりゃーーー!!」
「うぐおっ!」
「ヒロキおはよ!」
「・・・か、かかと落としはやりすぎ・・・・」
「へーんだ、起きないのが悪い!」
「ぬう、しょうがねえ起きるか・・・」
「早く支度してね!下で待ってるからー」
「おう」
――――
「おっそーい!」
「うるせえな、俺は朝は優雅に過ごしたいんだよ」
「寝坊は優雅じゃないよ?」
「はいはい」
「はい は一回!」
「へーい、いいから学校行こうぜ。カスミの所為で遅刻するわ。」
「もー!ヒロキがいつも寝坊するからじゃん!」
「しらねー。」
「むー、ねえ、それよりさ。今日楽しみだね!」
「んあ?今日?」
「うん!前からずっと楽しみにしてたんだ~!夜が待ち遠しいね!」
「今日?夜?んー」
「どうしたの?まさか忘れたなんてこと・・・」
「あー、なんかあったっけ?」
「え?本気で言ってるの?」
「うーん、なんか面白いアニメあったっけ?」
「・・・嘘でしょ?」
「なんだよ、どうせ大した事じゃねーんだろ。」
「本気、なんだ・・・・」
「なんだってんだよ。何か言ったっけ?」
「ありえない、ありえないよ!なんで忘れちゃうの!?おかしいでしょ!約束したじゃん!」
「んなこと言ったって覚えてねえもんは覚えてねえの。んな怒ることかよ。不細工な顔がさらに
不細工になってんぞ。」
「そんなの関係ない!どうして?いつもいつも約束忘れて、今度こそって時も全部!なんでな
の!?私の事嫌いなの!!?」
「はあ?何意味わかんねえこと言ってんだよ!ああそうだよカスミが毎日ぶんなぐってくるから
記憶が無くなってるんじゃねーの!」
「そんなわけないじゃん!そんなんで約束忘れないよ普通!ヒロキがバカでクズなんだよ!そう
やっていつも私の所為にしてさ!いい加減私だって怒るよ!」
「ふざけてんのはお前だろ!忘れちまったもんをぎゃーぎゃーぎゃーぎゃー騒いでんじゃねえ
よ!ガキか!」
「ガキなのはヒロキ!寝坊助!グズ!のろま!もう起こしてやらない!」
「あーてめーのクッソ五月蠅いモーニングコールが無くなって清々するわ!毎朝できるアザもこ
れでようやく治療に専念できるな!はんっ!」
「私だって好きで起こしてたわけじゃないもん!お母さんに頼まれてしょうがなく起こしてやっ
てたんだから!これからは私一人で悠々と通学してやる!」
「あー勝手にしろやクソブス!ブスには豚の飼育が一番向いてるぜ!学校の飼育係に推薦しとい
てやろうか?」
「な・・ん、で、ぞんなごとが・・・いえ・・・ぐっ、うううあああああん!!!」
「はんっ!泣いた振りしたって無駄―――」
「ううううひっく、ひっく、うぐ、ああ、ばかぁ、ヒロキ・・・ばか・・・うぐっ」
「え、マジ・・・?」
「な、泣いて、なんか、いな、いない!ぐずっ、ぐぅ」
「泣いてんじゃねーか」
「泣いてない!クズヒロキ!」
「わかったわかった、わるかったって。んで今夜何があんだっけか。」
「・・・らーめん」
「はあ?」
「ラーメンおごれ。」
「ら、ラーメン?」
「ラーメンおごってくれたら教えてやる!」
「なんだよそれ。ってか今夜じゃねーのか?」
「うるさい!放課後!絶対帰るなよ!」
「わかったわかった、忘れねーよ。」
「絶対だぞ!忘れるなよ!」
「でも念のためLINEしてくれ」
「絶対しない。忘れてたら明日の朝は氷水ぶっかけてやる。」
「・・・死ぬな。」
「じゃー忘れんな。」
「はいはい」
「はい は一回!」
「へいよー・・・って、やっべえ遅刻だわこれ。」
「あ!走るよ!!」
「めんどくせえ」
「走らないと氷水」
「先に行くわ」
「あーーー!待ってよ!!!」
―――――――
「ラーメンうめえ。」
「そーだな。」
「おじさん海苔追加。」
「てめえどんだけトッピングする気だ。」
「私の涙は高いんですー」
「・・・女の涙とは言わねえんだな。で、何だったの結局。」
「何がー?」
「何がじゃねえよ、約束。」
「あー。・・・ひみつ」
「あん?」
「ひーみーつ!!」
「なんだよそれ。教えろよ。」
「やだねー。それよりこの後カラオケいこ!カラオケ!」
「金は?」
「ヒロキのおごり。」
「帰る。」
「氷水?」
「・・・わーったよ。今回だけだかんな。」
「いえーい。」
「ちぇっ。おっちゃん!替え玉バリカタで!」
「あ、わたしもー!」
おわり

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