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ボイスドラマ「アフターメテオラジオ」
男「はい全世界の皆さんこんばんわ!壊滅後の地球からお送りするアフターメテオラジオ、
第82万9983回放送でございます!パーソナリティーはわたくし、不滅のイフリートと!」
女「不老不死のロザリィがお送りします。」
男「いやーロザリィさん、毎週放送しているこのラジオもあっという間に83万回です
ね。」
女「そうですねー、もう一万六千年くらいになりますか。」
男「83万回目前、ということで、今回は地球壊滅後のことを振り返りつつ進めていきま
しょうか。」
女「たまにはいいですね。100年に一度くらいは振り返っておかないと、私たちも記憶だけ
は永遠ではありませんし。」
男「確かにそうですね!もう3万年くらい生きてますが、さすがに5000年前くらいの出来
事はちょっと曖昧になってきてますから、やっぱり年を取りたくありませんね。そういえば
ロザリィさんはおいくつになられたんですか?」
女「女性に年齢を訊くなんて、失礼な精霊さんね。」
男「ははは、これは失礼。なにせ人間の常識には疎いもので!でも、最低でも1万6千年は
生きてますよね?」
女「秘密です。不老不死といっても年を重ねていく恐怖というのはあるのですよ、イフリー
トさん。」
男「何をおっしゃる!ではまず、そんなロザリィさんとわたくしの出会いからお話しましょ
うか。」
女「ああ、それはとてもよいですわ。なかなかにロマンチックな出会いでしたね。」
男「あれは、地球に巨大隕石が衝突して地表がすべて剥がれ、マグマに包まれてから1000
年くらい経った後でしたか。精霊として長年地球と共にあった私ですら、もう地球の再生を
あきらめかけた時に、ロザリィさんと出会ったのです。突き出した岩の上で溶岩に囲まれて
寝ているあなたと。」
女「もう溶岩と岩くらいしか残っていなかったんですもの、地表が冷えて固まるまでは寝る
くらいしかすることが無かったんです。」
男「以前は人間に姿を見せることはありませんでしたが、生き残っている生物がいたという
ことだけで腰を抜かすほど驚いてしまいましたよ。精霊なんで腰は抜けませんけども。精霊
なんで。」
女「それを言ったら、起きたら目の前に炎に包まれた人型のライオンみたいなのがいるんで
すもの。不老不死の体とはいえ、さすがにお迎えが来たのかと思ってしまいましたわ。地上
の炎では死ななくても、精霊の力なら死んでしまうじゃないかって。」
男「いえね。私も不老不死の人間なんてものが存在してるとは考えてもなかったのでびっく
りですよ。それからは二人で地球をくまなくめぐって、生きている生物や活動している精霊
などを探しましたよね。いやー、大変でした。」
女「一人っきりでこれから生きていくのかーとたかをくくっていたのですが、思ったよりも
死なない方々っておられるんですよね。わたしも不死仲間ができてうれしかったですよ。」
男「地表が冷えて固まるまでは本当に何もできませんでしたけどね。なんだかんだ100人く
らい見つけたんですよね。不死の方々。機械生命とか思念体とか。」
女「しばらくは一緒にいて、道具を使わない遊びをしてましたね。」
男「全身を焼いたら何分で再生するかゲームとか、楽しくて20年くらいやってました
ね。」
女「いえ、あれはなかなか恐怖でしたよ。イフリートさんは楽しかったと思いますが、生物
代表としてはちょっと痛かったです。」
男「え?そうだったんですか?炎の怪物、炎獣バズフェムトさんとかはよろこんでました
が。」
女「炎を操る方々は楽しかったと思いますが、何も能力の無いわたくしは焼かれる一方でし
たもの。」
男「ご冗談を。どこからか封印の釘を持ち出してきて精霊達をかたっぱしからマグマの中に
封印しようとしてたじゃないですか。あれこそ恐怖でしたよ。まさか人間に恐怖する時が来
るとは思いもよりませんでした。」
女「あの頃は若かったのです。それに、自業自得じゃありませんか。」
男「いやー、不死とはいえ、封印されてしまったら身動きとれませんからね。あの時は精霊
ハンターのロザリィと呼んでましたね。」
女「あら、そんな恥ずかしい名前をつけてらっしゃったんですか。封印していいですか?」
男「封印の釘をしまってくださいロザリィさん。では次はお天気コーナーです。現地の六分
儀さんー!」
男2「こちら六分儀ですー。現在、旧太平洋付近は火山が間断なく噴火しており、溶岩に包
まれていますー。次の大型降雨が期待されますが、過去の統計情200年は先の話だと推測で
きますー。溶岩浴の新たなお勧めスポットになるかと思いますー。現地からは以上で
すー。」
女「六分儀さんありがとうございます。」
男「六分儀さんは唯一の日本の方なんですよね。」
女「そうですね。後天的に不死になった非常にレアケースですね。しかも遺伝子操作によっ
て過剰な細胞回復、細胞再生回数のリミット解除など化学技術でこの領域までたどり着いた
一人です。素晴らしいですね。」
男「いやー、彼には地球再生にもとても貢献してもらってますね。やはり化学は偉大なのだ
とわかります。」
女「あなたも炎の精霊なのでしたら、溶岩を止めるとかそういうことはできませんの?」
男「いえね。精霊は自然に寄り添うのであって、自然を変えてはいけないというルールがあ
るのですよ。いやー、精霊もルールにしばられちゃって、大変ですよ。」
女「なるほど、やっぱり封印しておいた方がいいですね。」
男「ちょちょ、ちょっとまってくださいよロザリィさん!私がいなくなったら誰がこのラジ
オでしゃべるんですか。」
女「来週からは、ラムウおじい様がいらっしゃいます。」
男「いやいや!来週もわたくしがしゃべりますよ!っと、そろそろ終了のお時間です!皆
様、また来週お会いしましょう!」
女「アフターメテオラジオ、来週もよろしくお願いします。」
男「それでは」
男女「「さよメテオ~~~!!」」

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