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「異世界転生」


男1「ん・・・ん、何、ここは?おい、起きろ」

女1「んー・・・ごはん・・・」

男1「起きろって、おい、なんかおかしいんだよここ」

女1「んあー?ふわああああ、おはよう?」

男1「朝なのか夜なのかわからん。周りは真っ暗なのに、ちゃんと見える。でもなんもない。」

女1「んーーー、・・・夢?」

男1「だといいんだけどな。」

女1「大体こういうのって、ほっぺたつねったり、ビンタしたりすれば覚めるんでしょ。ほら、こっちむいて」

男1「いやいやいや、自分にやれよ!」

女1「やだよ、痛いもん。」

男1「俺ならいいのかよ!」

女1「いい。」

男1「ふざけんなー!お前がほっぺただせえ!」

女1「いーやーだーー!」


男2「お目覚めになられましたか?」


女1「きゃっ!誰!?」

男1「うわきもちわる!」


男2「私は神様です。」


女1「あー、神様なんだー!おつかれー!」
男1「いやいやいや、おかしいだろ!どこの世界に身長2mオーバーで黒マントに身を包んだ顔色が悪い神様がいるんだよ!」


男2「ここにおります。」


女1「いるんだって!」

男1「しんじられん・・・」

女1「それで、顔色が悪い神様が何の用事?もしかして私たち死んじゃったの?」


男2「あなた方は選ばれたのです。」


女1「何に?」


男2「救世主!そう、異世界を救う勇者として選ばれたのです!!あなた方ならばきっと世界を救えるハズです!!!」


男1「世界を・・・救う?なんでそんなことしなきゃいけねえんだよ。」

女1「わー!めっちゃおもしろそう!どうやって救うの?」

男1「ノリノリだな・・・」


男2「あなた方はこの空間で好きな能力を一つだけ得ることができるのです。」


女1「好きな能力って?」

男1「どうせ制限があるとかだろ?」

女1「そーなの?」


男2「なんでも良いのです。ただし、曖昧なもの、対象が指定されない大規模なものなどは認められません。例えば、世界を救う能力、すべての生き物を燃やす能力、すべての女の子のパンツを手に入れる能力などです!!」


男1「そんな能力いらんわ!」


男2「それ以外であれば、ご自由に」


女1「わー、おもしろそう!じゃー、えい!!」

男1「お、なん・・・何それ?」

女1「キャバ嬢になる能力!」

男1「とりあえず世界は救えねえなそれ。」

女1「そっかー。何がいいかなー。」


男2「ごゆっくりお考えください。異世界に旅立ったら変更できませんので。」


男1「じゃー無難に、とりゃ!」

女1「あ!火が出た!かっこいー!」

男1「炎を出す能力!一度やってみたかったんだこれ!」

女1「中二病だね~!じゃあこれはどうかな!」

男1「・・・腕がのびたな」

女1「腕を伸ばす能力!」

男1「もうちょっと生産的な能力は思いつかないのか?」

女1「せいさんてきか~うーん」

男1「そういえばさ、神様?」


男2「なんでしょうか、能力が決まりましたか?」


男1「世界を救ったらなんかご褒美があんの?元の世界には帰れんの?」

女1「あ、それ私もしりたーい」


男2「いいえ、あなた方は元の世界には帰れません!わたくしが送る世界を救ったら、また別の世界が待っています!!世界を救う!それこそが最大の褒章ではありませんか!!!」


男1「え?帰れないの?」

女1「えー、かーえーりーたーいー!」


男2「駄目です!!あなた方は異世界を救い続ける宿命なのです!!!帰るなどもってのほか!許されることでは無いのです!」


男1「んーーー、それじゃ、この能力にしよう。」

女1「決まったの?じゃあ私はこれにしよっと。」


男2「能力が決まったようですね。どんな能力にしたのですか?」


男1「えーと、ほりゃ!」

女1「おお、扉ができた。これなに?」

男1「よいしょっと。そんじゃ神様。じゃーね。」

女1「ばいばーい!」


男2「ちょ、ちょっとお待ちを!それは何の能力なのですか!!」


男1「ん?元の世界に戻る能力。」

女1「おお、戻れるんだね。よかった!」


男2「そんな!これはチャンスなのですよ!英雄になれるのですよ!!」


男1「俺、英雄より社長になりたいわ。そんじゃね。神様。」

女1「じゃね!楽しかったよー!」

男1「ところで、お前何の能力にしたん?」

女1「ん、無限にポテチを出す能力。」

男1「マジかよ、最高だな。帰ったらピザポテト出して。」

女1「じゃがバタ味ならいいよ!」

男1「ピザポテトのうまさがわからんとは、お子様だな。」

女1「じゃあ出してやんない。」

男1「あ、きたねえ!」

女1「へへーん」

 

・・・・

 


男2「・・・さて、次の勇者を探しに行くとしますか。」

 


おわり

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