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「OLと魔王の世界征服計画 第1話」

 

女「あー連休が始まったー!でもすることなーい!予定もなーい!仕事したくなーい!ねーるー!!!・・・いやーほんともう、お布団ってなんでこんなに気持ちがいいのかねー、何百時間でも寝てられるわー、最高。もう私は君にメロメロだよ。独り言で告白しちゃうくらいメロメロだよ。結婚したい。名字をお布団にしたい。あ、お布団って男なのかな。女の子だったらレズっぽい感じに・・・まあそれはそれで薄い本が厚くなるってなもんで、いざいちゃいちゃタイム〜・・・」

 

 

男「素晴らしいー!まさに典型的な怠惰な若者の姿!とても将来のある人間の連休の過ごし方とは思えない!」

 

女「うわあ!何!びっくりした!誰!?ここ私の部屋!なんでいるの!?ストーカー?けいさつ!ってかどうやってはいったの!??」

 

 

男「一気に質問するんじゃない!これだから人間という生き物は下等で劣悪で怠惰で・・・要するに貴様のようなやつばかりなのだ。もっと恥をしれ。」

 

 

女「ひどい!なんでそんなこと言われないといけないのよ!そりゃあ、連休だし?少しはぐーたらしたりとか?ゴミ捨て忘れたりとか、化粧落とさずに寝ちゃったりとかするし、別に遊ぶ友達もいないし、彼氏もいないし・・・あれ、なんだろう悲しくなってきた。」

 

 

男「どうした!いい訳タイムはもうおしまいかー?そんなんだから貴様は駄目なのだー!クズ!人間のクズだ!!それでは一生恋人もできんだろうなあ!!うふははははぁぁ!」

 

 

女「うう、なんかすごいへこむ・・・反論できないのがもっとへこむ。というか!あんた誰なの!?なんかすっかりなじんでるけど、ここ私の部屋だからね!犯罪よ犯罪!キャー変態!!ストーカー!!」

 

 

男「人間風情がこの俺を変態扱いとは!笑わせてくれるではないかー!」

 

 

女「別に笑わせたいわけじゃないわよ!!一体何の用なのあんた!ってかいい加減教えなさいよあんた誰!」

 

男「まあそう焦ることもないだろう人間。こういうのはもったいぶった方が箔がつくというものだろう。」

 

 

女「あんたにつくのはアルミ箔くらいよ!もう私の中で最低以下の存在なんだからいまさら上がる事なんてない!」

 

 

男「ふうむ、そこまで言われたら仕方がない。私は・・・」

 

 

女「わたしは・・・?」

 

 

男「魔王・・・サタンだ!」

 

 

女「中二病?」

 

 

男「これだから人間は自分たちのことしか考えていない。俺は魔界からはるばるこの世界にやってきた魔王なのだ!!どうだ思い知ったか!!ふははははは!!」

 

 

女「・・・まおう?まかい?・・・うーん、まあ、いいや。それで、そのまかいのまおうさんがなにゆえ連休にはいったばっかりの素敵な時間に22歳OLの部屋にいるわけ?まさか・・・人間の女の子が恋しくなって・・・いやーん!」

 

 

男「人間というものはここまでバカなのか?見るに耐えん。醜いにも程がある。」

 

 

女「うっさいわね。それで、何が目的なのよ。場合によっては警察に突き出すからね。いや、不法侵入してる時点で突き出したい気持ちでいっぱいなんだけど。ってかあんたが踏んでるのパンツ。」

 

 

男「ふん、人間の女なぞに興味ないわ。俺がわざわざこんな場所にきたのには当然理由がある。」

 

 

女「理由・・・どんな?」

 

 

男「貴様の知らん世界、魔界は退屈な世界だ。強者が弱者を支配し、誰が誰を殺そうと虐殺しようとなんの問題も無い。ルールもなければ頭脳戦も無い。なんというつまらぬ世界だろうか。支配してみたはいいものの、何の成長もない生き物ばかり。そう、まさに今の貴様のような!」

 

 

女「最後のくだり、いる?」

 

 

男「しかし、ふと外の世界に目を向けてみたらこれがどうだ!力のある生き物など一握り!しかし世の中はルールに縛られ、なにやら通貨というもので力関係を示しているようではないか!圧倒的弱者どもしかいない世界などクソ以下だと思って見向きもしなかったが、ここれがなかなか面白い。そういうわけで」

 

 

女「そういうわけで?」

 

 

男「俺はこの世界にやってきたのだ。」

 

 

女「ええっと、つまりは?」

 

 

男「そう、俺の目的は世界征服だ!!!わかったか小娘!!俺の崇高な目的を!!」

 

 

女「・・・春って変な人でるって言うけど、こういうことかあ。」

 

 

男「ふははははははははーー!!!!」

 

 


つづく

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