迷宮の中で
男「こっちはもう駄目だァ!敵だらけの上に通路炎上、おまけに銃弾の嵐だ!出てった瞬間蜂の巣にされちまう!」
女「そんなこと言ったってこっちだってもう駄目よ!アマゾネスよろしく、いろんな武器もった筋肉質な女がウロウロしてるわ!」
男「男としてはそっちの通路を選びたくなるねえ、どうせなら筋肉モリモリでも女性に殺されたいもんだ。」
女「こんな時に冗談なんて言わないでよ!!あーーーもうなんでこんなことになってるのよ!このバカ!アンポンタン!」
男「俺は最初っから危険な場所だって言ってたハズだぜ?」
女「程度ってもんがあるでしょ!?それに俺に任せとけば全部オッケーとか言ってたじゃない!どうしてくれるのよ!まったくもってオッケ
ーじゃないわよこれ!」
男「そう怒鳴るなって。眉間にシワが寄ってるじゃないか。かわいいお顔が台無しだぜェ?」
女「うるさいわね!それどころじゃないわよ!眉間にシワが寄り続ける呪いにかかってもいいからここから脱出したいわよ!」
男「そんな顔で脱出したら俺はあんたに会う度に笑いを堪えなきゃなんないだろう。勘弁してくれ、俺を笑い死にさせる気か?」
女「私が助かるなら今すぐにでも殺してやりたいわよ!あーーーもう!こんなことになったのも全部あなたのせいよ!契約も報酬も全部無し
だからね!破棄よ破棄!!」
男「おいおい冗談だろ!ここまできてそりゃあないぜ!俺がどれだけあんたの細っこい身体を守ってやったと思ってんだ?冒険も8割は終わ
ったようなもんじゃないか。それで無しなんてのは虫が良すぎるんじゃねえの?」
女「死んじゃったら8割も1割も同じよ!それにあなたも死んだら意味ないじゅない!」
男「ま、それもそうだな。でもよ、あんたがいなきゃあ俺の生存確率は段違いに高いんだぜ?たとえ低い確率でも命を捨てたくないんだった
ら、契約を続行することだ。」
女「そういうのは生き残ってからいいなさいよ!この状況で口争いしてる場合じゃないでしょうが!!このバカ!!」
男「お、そいつは正論だ。それじゃ、さっさと脱出して、報酬ゲットといきますか!!」
女「どうするつもり?」
男「何、ここに来るときに帰り道の抜け穴くらいチェックしてあるってことよ。この通路の反対側にあるあの穴、あそこに飛び込めれば無事
に俺もあんたもハッピーエンド。めでたしめでたしってとこだ。」
女「この通路・・・って、さっきから銃弾が飛び交ってるとこじゃないの!渡れるわけないでしょ!」
男「だーじょうぶさ。何故なら、俺は防弾チョッキを着こんでいる!ちょちょいっと銃をぶっぱなしているやつらをオシオキしてくるから、
あんたは偉そうにどっしり座って待ってな!」
女「え?ああ!ちょっと!!・・・大丈夫なの?」
男「うおお!あだだだ!!ははんへっちゃらだぜ!ってぐおお!足は!足は駄目!!腕もだめだから!チョッキ!チョッキにあてて!あああ
無理無理無理無理!!!」
女「・・・おかえり。」
男「いやあ、あいつらなかなかやりやがるぜ。おかげでこの様だ。俺はもう駄目だ。あんただけでも逃げてくれ。」
女「い、いやいやいや!諦めないでよ!私だけで逃げられるわけないでしょ!!」
男「大丈夫だ、あんたならやれるきっと大丈夫だ。自分を信じろ。ほら、そのかわいい顔と貧相な身体をつかってあいつらを魅了しながら進
むとかど・・・ぐあ!この女蹴りやがった!」
女「うるさい!最低!!もういいわ、私だけでなんとかするわ!あんたはそこで死んでなさい!!!」
男「はははは。それじゃあ俺はここから見守らせてもらうぜ。っと、行く前にちょっとだけ膝枕とか・・・ぬぐあ!」
女「もうしゃべるな!!!さてどうしよう・・・ん?この音は・・・?」
男2「お嬢様!お迎えにあがりましたぞ!」
女「爺や!」
男2「ご無事でなにより!さあ、早くお屋敷へ帰りますぞ。あの蛮人どもは蹴散らしましたのでご安心を。」
女「ありがとう!そうね、早く戻りましょう!暖かいシャワーが浴びたいわ!」
男「おいおいおい!ちょっと待て!!俺も連れてけェ!!」
男2「お嬢様、彼は?」
女「気にしなくていいわ!知らない人!」
男2「では、こちらに」
女「ありがとう爺や!」
男「・・・ま、敵を倒してくれただけでも良しとするか。いやあ、お嬢さんを置いてさっさと脱出する手はずだったが、まあ生きてるだけで
もよしと・・・・ん?」
女2「あなたいい男ね。でも、アマゾネスに男はいらないの。生贄にしてあげるわ。」
男「おいおいおい、ちょっとまて。そりゃないぜーーーー!!!!!」
おわり