最後の戦い
男「ついに追い詰めたぞ!悪の女帝ラース!世界を貴様の好きにはさせない!」
女「ようこそ勇者とやら。しかし笑わせる。追い詰めた?わらわの居城に訪問したの間違いであろう。わらわはそなたにいらっしゃいませと言わなければなるまい?」
男「ふざけるな!俺は貴様を打倒すためにここまで来た!世界を―――お前の思い通りにはさせない!」
女「ふふふ、わらわの野望を阻止しようというのか。笑わせてくれる。そなたのような貧弱な人間など、一捻りにしてくれる!」
男「何が野望だ!貴様のような奴をこの世にのさばらせておくわけにはいかない!他の誰が許したとしてもこの俺だけは貴様を否定してやる!」
女「あっはっは!わらわを否定するというのか!つくづく何も知らない人間だなそなたは。」
男「なんだと!?」
女「そもそもわらわの願望を否定している人間などいないのだぞ。すでに世界の人間は余すことなくわらわの賛同者よ。そなた一人が否定し、拒否したところで何も変わりはしない。むしろ、そなたこそが世界の敵なのだよ。」
男「そ、そんなバカな事が信じられるか!」
女「信じるか信じないかはそなた次第だ。わらわを倒せばそなたは世界の敵となる。どうじゃ?それでもやるのか?」
男「くっ・・・それでも、それでも俺は貴様を倒さねばならないんだ!覚悟しろ!!!おおおああああああ!!!!」
女「はん!うつけものが!死ぬがよい!!」
――――――
男「はあ・・・はあ・・・・強い・・・・ぐっ」
女「あっはっは!大きい口を叩いておいてその程度か!どれだけわらわを笑わせれば気が済むのじゃ!いい加減諦めてわらわに協力するのだな。」
男「黙れ!貴様のような奴に誰が協力するか!!・・・ぐっ」
女「無理をするでない。そのような体で何が―――そなた、その首飾りはなんじゃ。どこで手に入れた。」
男「母さんの形見だ!それがどうした!!!」
女「・・・」
男「どうした、何を黙っている!」
女「そなた、ゲイルか?」
男「!!!何故その名前を!?」
女「そうか―――そなたの母は、わらわじゃ。可笑しなことよの。自分の名は忘れても子の名を忘れることはできなかった。」
男「そんな・・・そんなハズが無い!母さんは死んだんだ!俺が埋葬したんだ!間違いない!!」
女「ああ、その通り。わらわは死者。冥界との契約によってここに存在しておる。このペンダントが証拠じゃ。」
男「同じ・・・・ペンダント。でも、そんな・・・・母さん、なのか?」
女「そうとも。名は忘れても繋がりを消すことはできん。さあおいで、また一緒に暮らそう。」
男「ああ、母さん・・・」
女「おかえり、ゲイル。」
男「ただいま、母さん。」
女「さあーーー!それじゃあ一緒に世界征服をしようかわが息子!!!!もう反対する者はおらんいくらでも世界を自由にでーーきーーるーーぞーーーーー!!!あはははは!!!」
男「やりましょう母さん!!世界は女帝ラースの手の中だあああ!!!!!」
お わ り